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名古屋地方裁判所 昭和60年(わ)93号 判決 1985年4月19日

本店所在地

名古屋市西区児玉三丁目二八番一〇号

三晃株式会社

右代表者代表取締役

山下辰彦

本籍

名古屋市西区幅下一丁目一〇一一番地

住居

同区児玉三丁目二八番一〇号

会社役員

山下辰彦

昭和一五年九月二四日生

右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官中野俊彦出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人会社を罰金一、〇〇〇万円に、被告人山下を懲役六月に処する。

被告人山下に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人三晃株式会社(以下、単に被告会社という)は、名古屋市西区児玉三丁目二八番一〇号に本店を置き、ニット生地の製造阪売等を業とするもの、被告人山下辰彦は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括するものであるが被告人山下辰彦は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、水増仕入れの計上及び棚卸資産を除外するなどの方法によって所得の一部を秘匿した上

第一  昭和五六年四月一日から同五七年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が八、四八六万一九九円であるのに、同五七年五月三一日、名古屋市西区押切二丁目七番二一号所在の名古屋西税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四、七七八万八、八六七円で、これに対する法人税額が一、九一一万九〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一、五一八万五、三〇〇円を免れ

第二  同五七年四月一日から同五八年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が九、五五一万九、二九二円で、これに対する法人税額が三、八六六万五、〇〇〇円であるのに、同五八年五月三一日、前記名古屋西区税務署において、同税務署長に対し、所得金額が六、一二八万四、六一八円で、これに対する法人税額が二、四二九万五、八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一、四三六万九、二〇〇円を免れ

もって、いずれも不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人山下の当公判廷における供述並びに検察官及び大蔵事務官に対する各供述調書

一  馬場悦子の大蔵事務官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料及び各証明書

(法令の適用)

一  被告人会社につき 各法人税法一五九条一項、一六四条一項

一  被告人山下につき 各同法一五九条一項

一  (刑種の選択) 被告人山下につき所定刑中懲役刑を選択

一  (併合加重) 刑法四五条前段、被告人山下につき同法四七条本文、一〇条(重い第一の罪の刑に加重)、被告人会社につき同法四八条二項

一  (刑の執行猶予) 被告人山下につき同法二五条一項

(裁判官 笹本忠男)

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